流星

いや最後のセリフやばかった。やばかったなんていうレベルの表現の仕方じゃ申し訳ないくらいだった。

怒りとか悲しみとかやるせなさとか色々なことを含んでる気がしたな。その感情も行成にぶつけているのか目の前にいる泰輔へなのか妹しぃに対してなのか。はたまた自分自身に対してなのか。状況に対してなのか。全てに対してなのか。


「感情が吹き出す」ってこういうこと言うのだと思った。


どうしようもなさって何でこの世に存在するんだろう。両親が殺された。施設に預けられた。詐欺を働いた。犯人らしき男を見つけた。血の繋がらない兄弟だと告白した。どうしようもないことってなんで起こるんだろう。アリアケ3の詐欺の日々ってもう戻って来ないのかな。歯車が狂うってこういうことなのかな。


泰輔は何でああいうことを言ったんだろう。可愛い血の繋がらない妹。こう字で書くと途端に何かの設定となるような陳腐なものに見えるけど、実際はそんな単純な感情じゃないんだろうな。好き、って難しいよ。いつも一緒にいて馬鹿なこと言い合ってた妹が今自分の前から精神的に居なくなりそうな不安とか、誰かに盗られんじゃないかと意識とか、いろんなものが渦巻いてるんだろうな。行成が相手じゃなかったら?仇の息子じゃなかったら?あんな言葉は発しないんじゃないかな。自分でもはっきりと判別出来てない感情が状況と重なって口から出てきた、言わざるを得なかったのか。苦しいよね。兄の功一も自分と同じ気持ち、もしくは自分以上の気持ちをしぃに対して持ってるかもと思っている。…のかな。


功一も辛くて苦しいだろう。しいに図らずも血の繋がっていないと告げたときから目に見えて、今まで以上に心に引っかるものが大きくなったんだと思う。私は。流れ星を見ているあの功一は切ない。でも当事者より先に悲しくなってしまう功一だから、妹のことも泰輔のことも見抜いてるというか、何でも分かってる気がしてたんだよね。泰輔に強くでたり、しいに世話を焼いていたりするけど、それでもこういう少し歯車がちょっとずつずれて来ている状態は功一は分かっている。あくまで二人の前では冷静で変わらずにいる。


でもそれは違ったんだよ。それがあの吐き出した一言に凝縮されていたような気がした。本当は功一も冷静ではないんだよ、いられないんだよ。でもここでやっと本当の功一が出てきた気がした。そうだよ、詐欺の計画を完璧に立てても、常識人として二人を諭してても功一は全然完璧じゃない。むしろ完璧でいてくれなくて良かったと思う。顔から目から態度から声から、溢れ出す功一の感情はすごい響く。痛いくらいに。


なんかきもいこと書いちゃったかな。しかもまとまってない…。ともかくあの一言は功一の次のステージの出現です。しかし次のステージが何かは分かりませんが…。一言で表せないけど何かが変わる音がしたのです。でもその音が悲しい音な気がして苦しい。私が。だって誰も憎めないんだもーん!


功一父も戸神父に対してあんな暴言吐いてギャンブル好きなのに、憎めない!功一母もパチスロママなのにソフィアローレンだし…。戸神父なんてあんな陰気な雰囲気が漂ってるし昔はどんくさいし今現在も暗いのに、あの夫婦の綺麗過ぎるリビングでのやりとりはずっと見ていたくなるし。行成だってあんな馬鹿正直に見えて変に内にベクトルが向いてる人なのに、やっぱりすっごく真っ直ぐなんだもん。好きになっちゃうよ。私が!


このドラマはさ、ぶっ殺そうなが目的であってテーマであるけど、それを進行させるためには誰も彼も幸せにはならないよなあ。事実を知るイコール幸せ、というのはあり得ないことなのかな。っていうか幸せって何だろう。うわーん!